太陽光発電と蓄電池をセットで設置するメリットとは
ここでは太陽光発電と蓄電池を併設するメリットについてご紹介いたします。電気代の節約になる
2019年10月、消費税が8%から10%へ引き上げられたことにより、各電力会社でも電気料金を値上げしました。5000円の電気代に対して消費税が8%加算されると5,400円となり、10%になると5,500円となります。 月々100円の差ですが、年間で1,200円、10年間だと12,000円の出費となります。電気代が増えれば増えるほど増税の影響は出てくるため、家計としてはじわじわと影響がある部分です。しかし、太陽光発電と蓄電池を併設し、さらに夜間の電気料金が安くなるプランを併用すれば、太陽光発電や電気代の安い夜に蓄電池を充電し、電気代が高くなる日中に充電した電気を利用できるため、電気代の節約になります。この節約方法を「ピークカット」とも呼びます。 さらに、蓄電池と太陽光発電を併設するなら、エコキュートを合わせて設置するのがお勧めです。エコキュートはガスではなく電気を使ってお湯を沸かします。太陽光発電で発電した電気を蓄電池に貯め、夜間に蓄電池に貯めた電気でお湯を沸かしながら生活すれば、電気代の節約だけではなくガス代の削減にもつながります。(これらは、夜間の電気料金が安くなるプランを契約している前提です)
停電時でも電気が使える
台風や豪雨、地震で停電すると冷蔵庫や電子レンジが使えない、テレビでの情報収集ができないといった問題に直面してしまいます。 停電した場合、太陽光発電だけを設置している住宅だと電気が使えるのは日中だけです。夜間は他の手段を考えなくてはなりません。 蓄電池を設置することで、この問題が解決できます。太陽光発電で発電した電気を充電しておけるので、夜間でも電気機器を使えるのです。 非常事態に備えて蓄電池を設置しておけば、「停電や災害に強い家」を作れます。FIT制度(固定価格買取制度)後も経済的に活用できる
今まで太陽光発電は、「売電」が主な使い道でした。しかし、FIT制度開始当時の固定価格は42円/kWhなのに対し、現在は平均して8~9円/kWhと、およそ5分の1の収益となっています。 そのため、現在はFIT制度の活用よりも自分で発電した電気をそのまま自分で使う「自家消費」が主力となってきています。 自家消費にすることで光熱費を大幅に削減でき、家計への負担軽減が期待できます。太陽光発電と蓄電池をセットで設置するデメリットとは
ここでは太陽光発電と蓄電池を併設するデメリットについてご紹介いたします。設置する費用が高い
蓄電池は未だに「高い」のが大きなデメリットとなっています。蓄電容量1kWhあたりの価格は15~28万円です。家庭用蓄電池の主力となっている容量7.2kWhの蓄電池を設置する場合、工事費込みの初期費用は100万円以上になってしまいます。 この高騰を受け、経済産業省では2020年度の家庭用蓄電池の価格目標を1kWhあたり9万円と設定しています。ここは企業努力が求められる部分ですので、今後は蓄電池の価格が下がっていくだろうと予測されています。充電回数に限りがあり、太陽光発電より寿命が短い
太陽光発電のパネルは、1度の設置で10年以上交換せずに使用できますが、蓄電池の場合は充電と放電を繰り返すことで少しずつ劣化していき、交換が必要になります。 蓄電池の寿命は「サイクル」で表記され、充電と放電を1回ずつ行うと「1サイクル」となります。このサイクルを何回繰り返せるかが寿命の基準となります。 家庭用蓄電池の場合は、使用環境や蓄電池の種類によって異なるものの、約4000回で寿命がくるといわれています。年数で換算すると約6~10年です。この時期には買い替えなければならなくなります。設置場所の確保が必要となる
家庭用蓄電池の定置型(動かさずに固定しておく蓄電池)を設置する場合、蓄電池の大きさはエアコンの室外機程度の大きさで、重さは50~100キロほどになります。 ほとんどの蓄電池は、屋外に設置することを想定されているため、設置を検討されている方は蓄電池を置けるだけのスペースがあるかどうかの確認が必要となります。太陽光発電に蓄電池を設置するときにかかる費用について
太陽光発電と蓄電池を設置費用はいくらくらいなのか気になる方もいらっしゃるでしょう。ここでは、特定負荷型と全負荷型の設置費用や、補助金情報についてご紹介いたします。特定負荷型
特定負荷型とは、事前に指定した特定エリア(冷蔵庫やリビングのテレビコンセント等)だけに電気を供給するタイプの蓄電池です。商品によりますが、15~20Aまでの回路を選択できます。20Aはドライヤーと掃除機を同時に使えるほどの容量です。 停電した場合に必要な箇所にだけ電気を供給することができ、蓄電した電気を使い過ぎることがありません。必要な場所だけに優先的に電気を供給する仕組みになっています。 価格が安いのも特定負荷型の特徴です。全負荷型の大きさの半分程度で、価格も20万前後安くなります。 あくまでも「非常時用」と考えて設置するタイプの蓄電池です。全負荷型
全負荷型の場合は、全ての部屋で電気を使用できるタイプの蓄電池です。停電時でもエアコンや電子レンジ等、ほとんどの家電製品を使えるため、普段と変わらない生活を送れます。 お湯を沸かし、調理もできるのでオール電化にお住まいの方は特にお勧めです。 特定負荷型と比べて価格は高くなりますが、補助金制度を利用すればお得に設置することも可能です。設置時に補助金は出るの?
- 1.「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」 一般社団法人環境共生イニシアチブが一定の条件下で補助金を交付しています。環境共生イニシアチブが提示している申請条件は以下の通りです。
- 補助対象の要件を満たす家庭用蓄電システムであること
- 災害発生時(停電時)に宅内給電へ切り替えられ、また災害復旧後には国または電力会社が供給力不足による節電を要請した場合、グリーンモード(蓄電池の充電を優先するモード)へ切り替える機能、もしくはグリーンモード固定で運転する機能を具備すること。
- 災害発生時の宅内給電切り替えは自動及び不測の事態用として手動切り替えができること
- 災害復旧後に、遠隔からの動作状態を監視できる機能を具備すること
- 2.各自治体の補助金制度 各自治体でも、独自で蓄電池の補助金制度を導入しています。一度確認してみるといいでしょう。
蓄電池を太陽光発電に組み合わせる際の注意点
ここでは太陽光発電と蓄電池を組み合わせる際の注意点についてご紹介いたします。太陽光発電と蓄電池を「同時設置」する場合
太陽光発電システムを構成する各機器や蓄電池は、多くの場合それぞれの保証年数が異なります。太陽光発電パネルの保証期間は約25年、パワーコンディショナー等は約15年、蓄電池は10年が一般的です。 太陽光発電設備と蓄電池を同時に設置するなら、有償の保証延長の有無等も含めて、使用イメージに合わせた設備を専門家に提案してもらいましょう。 同時設置の場合は費用もかなりかかります。複数業者を一括で見積りできるサービスを利用して、できるだけコストを抑える工夫も大切です。既設の太陽光発電に蓄電池を「後付け」する場合
蓄電池を後から設置する場合は、既存の太陽光発電システムの容量に合わせたスペックの蓄電池を設置する必要があります。家庭での電気使用状況を考慮しましょう。 蓄電池のメーカー選びにも注意が必要です。既存の太陽光発電設備と異なるメーカーの蓄電池を設置すると、保証対象から外れてしまう可能性もあります。 さらに、蓄電池と既存の太陽光発電設備に互換性があるかどうかも確認が必要です。多くの蓄電池は他社製の太陽光発電設備に対応していますが、一部対象外のものもあります。 両方に詳しい専門家に相談しておくと安心です。太陽光発電に組み合わせる蓄電池の選び方と注意点とは
ここでは、太陽光発電に組み合わせる蓄電池の選び方と注意点についてご紹介いたします。連携方式を事前に確認する
家庭用蓄電池には、2種類の方式があります。- 太陽光発電と連携するタイプ
- 太陽光発電と連携しないタイプ(スタンドアローンタイプ)
蓄電容量を決めた上で選ぶ
「必要な蓄電容量はどの程度か」をあらかじめ計算して決めておくのも大切です。容量(単位:kWh)は、蓄電池にどのくらい電機を貯めておけるかを表す数値です。出力(単位:WまたはkW)は、電機を動かす際の瞬間的なパワーを表す数値です。 一般的な家電を使う時に必要な出力は- エアコン:700kW
- テレビ:150W
- 電子レンジ:1,500W
- ケトル:250W
- 冷蔵庫:190W(40L)
- 洗濯機:600W(8kg)
- 照明器具:100W